用語集
織物用語を
わかりやすく解説
あ行
【畦竹】あぜだけ
機の後方で畦に組んだタテ糸に挿入しておく2本の細身の竹。
タテ糸の切断補修や経継ぎに役立てる。
【後染め】あとぞめ
織上げた後で、糸の素材の違いを利用して染める事。
【綾】あや
平織、朱子織と共に組織の分類の総称する名であり織面にタテ糸またはヨコ糸により綾目が斜めに連なって現れる斜文組織。
【綾織】あやおり
タテ糸、ヨコ糸3本以上で織られ、糸が斜めに交わって模様を織出す織り方。平織と比べ、風合いが柔軟でシワがよりにくく、糸の密度を増すことができる。織ネームでは、3枚綾、4枚綾と、俗に44の綾と呼
んでいる織り方がよく使われる。変化組織の代表的なものに杉綾がある。
【異形糸】いけいし
糸の断面が異形(非円形)で光沢や風合いに優れている。
主にシルクの断面に似せた「三角断面」の糸の事を指します。
【意匠図】いしょうず
方眼紙に図案を拡大し写しとられたもので、どの色の糸を使うか·どのような組織で織るかを塗り分けられたもの。設計図のようなもの。
【インク止め加工】いんくどめかこう
生地にマジックペンなどで字が書けるようにする、にじみ防止加工。
【打込】うちこみ
ヨコ糸を織り込むこと。またその密度。打ち込み30回/cmは、1センチ織布するのに地糸を30回打ち込むということ。
【裏写り】うらうつり
ベースに文字の糸等、裏側にある糸が表に影響する現象のこと。
白ベースに赤文字の場合は白が少しピンクっぽく、黒文字ならば少しグレーに写ること。
【裏織】うらおり
織物の裏面を上にして織ること。通常はこの織り方が一般的。
【裏朱子】うらじゅす
ヨコ糸が多く浮いた方を裏朱子という。
タテ糸が多く浮いた方を表朱子。
織ネームでは、一般に5枚裏朱子のことを指します。
【裏ドメ】うらどめ
裏面のヨコ糸をタテ糸で押さえること。
【ウルトラソニック】うるとらそにっく
ネームのカット加工の一つで、超音波により発生する細かな振動によって叩くようにカットします。
【エンドホールド】えんどほーるど
ネームのカット加工の一つで両端を折り曲げること。
【筬】おさ
タテ糸を均等に配列し、ヨコ糸を打ち込む(織り込む)際、
框(かまち)に装着して使用する。
織物の巾、及びタテ糸の配列や密度を定め、杼(ひ)が杼口を通過するときのガイドとなり、さらにヨコ糸を織り前まで打ち寄せる役目をする。
現在は金属の筬を使用しているが昔は竹で出来たものを使用していた。
【オーバーロック】おーばーろっく
ネームやワッペンのまわりを糸でかかること。
【表織】おもており
織物の表面を上にして織ること。
【表朱子】おもてじゅす
タテ糸が多く浮いた方を表朱子、ヨコ糸が多く浮いた方を裏朱子という。織ネームでは、一般に5枚朱子のことを指します。
【折線】おりせん
ネームを折り曲げたり、取り付けるときの目安になる線。
地上げを用いて表わすのが一般的。
【織り縮み率】おりちぢみりつ
織機で製織する時、タテ糸とヨコ糸が組織するために屈曲して、収縮する割合。
【織屋】おりや
機業者。織物業者。
【下す】おろす
織り上げた製品を織機からとりはずすこと。
か行
【カタフンドウ】かたふんどう
古いタイプのシャトル式織機に使われていたもので、織機後方の片側にだけ、おもりをのせて、タテ糸の張り具合を調節した。今でも、耳糸の張りの調節には多く使用している。
【カチオン糸】かちおんし
常圧カチオン可染ポリエステル糸の略称。従来の常圧可染タイプや分散染料で染められた糸に対して、昇華堅牢度(染色堅牢度)が高い。
従来の常圧可染タイプに比べ、染色堅牢度が優れています。
【カット&ホールド】かっとあんどほーるど
ネームを切って同時に両端を折り曲げること。
【カマ】かま
レピア織機のジャガードの大きさで、1カマ200mm等いろいろな大きさがある。
ジャガードサイズによってこの1カマのサイズは変わってくる。
【框】かまち
ヨコ糸を打ち込む(織り込む)際に使用する。
これに筬(おさ)を装着し手前に引き寄せヨコ糸を打ち込む。
【紙流し】かみながし
ジャガード機のシリンダーが回転するにつれて下方に垂れ下がる紋紙を順よく整理するように設備するガイドレール。
【完全組織】かんぜんそしき
組織が繰り返される時の一完全となるもの。織物の組織は、ある1区間の組織を基礎とし、これを繰り返して構成されている。この1区間の単位組織を完全組織(complete weave)といい、これを意匠紙にあらわしたものを完全意匠図という。
【生機】きばた
生機とは、一般的には精練(製織段階でついたのりや汚れなどの除去)や染色前の未加工段階の生地のことを指します。我々織ネーム業界では未加工段階の織物を【生機】と呼んでいます。
【切り線】きりせん
織タグをカットする時に、目安にする線。
カット方法により、いろいろな形のものがある。
【管】くだ
ヨコ糸を巻くための小さな管のこと。ヨコ糸を卷いた管を杼(ひ)に装着して使用する。木管やプラスティック管がある。
【管巻き】くだまき
小管にヨコ糸を巻く作業。
【口】くち
織機のタテ糸開口部。ジャカード機の針数表示。ただし口数表示は必ずしも厳密でなく、400口は正確に464本、600口は664本、900口は964本、1300口は1344本である。
【グログラン】ぐろぐらん
平組織をタテに伸ばしたような織組織でヨコ畝が特徴的な織物。
リボンなどでよく使われます。
【堅牢度】けんろうど
染色された商品の持っている固有の色の丈夫さを染色堅牢度という。JIS規格の各種テストを行い1~5の等級で表示する。1が最低、5が最高。耐光堅牢度は1~8まである。
【コーン巻き】こーんまき
糸がトウモロコシの様に巻かれた形態。
チーズの様に巻かれた物をチーズ巻きという。
【交換】こうかん
杼(ひ)の動き。杼箱の動き。
【越し】こし
ヨコ糸を打ち込む(織り込む)ことを言う。
【越数】こしかず
ヨコ糸の本数。
【5枚朱子】ごまいしゅす
5枚朱子は朱子織物中最も簡単な組織で、飛び数の法則によって2飛びと3飛びの朱子組織をつくることができる。
【混合組織】こんごうそしき
2種以上の組織を混合してつくったもの。
さ行
【先染織物】さきぞめおりもの
先に糸の状態で染めを施す手法。
その染められた色糸を使って布を織り上げる。
【さす】さす
杼(ひ)のこと。シャトル織機ではシャトルを、レピア織機ではレピアをいう。
【三原組織】さんげんそしき
織物の種類は多いが、その基礎となるものは平織·斜文織·朱子織の3つである。
平織
斜文織
朱子織
【地】じ
無地場。織物を形成する織組織のこと
【地合い】じあい
織物の基盤をなす組織。また織物の風合い地風。
【地有りベタ】じありべた
ベタ織りの発色を良くする為に、別に地を織ること。ベース2回引きとも呼ぶ。
【仕上がり寸法】しあがりすんぽう
カット加工、ホールド加工などを終えた寸法。
【地上げ】じあげ
地糸を表に多く出して、柄の一部として使用すること。
【地糸】じいと
地を織り込むためのヨコ糸。紋糸に対していう。
【地落ち】じおち
地糸が地を織り込まないで裏に回っている様。
【試織】ししょく
試し織りをすること。
【地組織】じそしき
紋織物の基盤をなす組織。
【地ぬき】じぬき
地組織を織り上げるヨコ糸のこと。
【ジャガード】じゃがーど
ジャガードマシンの略。1804年仏人ジャカールの発明した紋織機械。シリンダーにより紋紙を横針に押しつけ、その穿口部に対応する堅針を引き上げる。これに吊り下げた綜統によりタテ糸が開口する。
【尺】しゃく
織物の長さを意味する。
【シャトル】しゃとる
ヨコ糸を巻きつけた管(こくだ·小管)を入れて綜統で開口されたタテ糸の間に滑りこませて織りこむ為の道具。杼(ひ)のこと。
【斜紋】しゃもん
タテ糸又はヨコ糸が斜めに続いて斜紋線をつくる組織。
【斜文織】しゃもんおり
斜文織はあや織りともいい、タテ糸·ヨコ糸3本以上からつくられ、平織のように交互に浮沈せず、連続的に浮沈した組織点で斜めにあや線をあらわす。
これを斜紋線(twill line、あや線)という。
【樹脂加工】じゅしかこう
防縮加工の一つで織りあがったネームに樹脂をひいて形状を安定させます。
【朱子織】しゅすおり
朱子織はタテ糸·ヨコ糸5本以上でつくられ、ただ1つの交錯点を一定の間隔に配置した、
タテ糸またはヨコ糸の浮きが多い組織である。糯子織とも書く。
【織機】しょっき
タテ糸とヨコ糸を交差させて平面を作り出す装置。手織機、力織機などがある。
【杉綾】すぎあや
綾織の綾線の向きが等間隔で逆になったもの。
山型の連続した構成で生地に垂直と水平方向とに組み合わされたものとがある。
【ストレートカット】すとれーとかっと
織ネームの両端または、上下を織らずに切るだけのこと。
【整経】せいけい
整経台または整経機を用いタテ糸の総糸数を所定の長さに揃える織物準備作業。
【センターホールド】せんたーほーるど
中央で二つに折るカット加工。
【全長】ぜんちょう
紋紙一回転分の織り上げ長。
【組織】そしき
織物パターン。タテ糸とヨコ糸の交差状態。
【組織図】そしきず
タテ糸とヨコ糸の交差状態を図示したもの。
た行
【ダイカット】だいかっと
光熱の抜き型を用いて、特異な形に抜くこと。
【ダイレクトジャガード】だいれくとじゃがーど
従来の紋紙の代りに紋データを直接ジャガード連結し、コンピュータで織物の柄や組織を制御するシステム。
【丈】たけ
織物の長さ。
【経糸】たていと
織物を作るとき縦に張り詰める(整経)糸。
【縦針】たてばり
ジャガード機の主要部分。垂直運動をし、綜絖の通糸を介してタテ糸を上下させ、杼(ひ)道を作る役割をなす。
【昼夜繻子織】ちゅうやしゅすおり
表朱子と裏朱子を市松模様に配置したもの。
【丁】ちょう
杼(ひ)の数を数える単位。
【通糸】つうじいと
綜統のタテ糸を通す部分とジャガード機のタテ針を連結する糸。
往時は麻糸が用いられたが、現今では合繊糸を使用する。
【吊り込み】つりこみ
紋紙の指示どおりにタテ糸が浮沈するように、ジャガードのタテ針に通糸を吊るした状態。
【吊り本数】つりほんすう
使用タテ針本数。
【デニール】でにーる
繊度(糸の太さ)の単位(denier)9000m/g=1dn
織ネーム業界ではデニールを使用する事が多い
【デシテックス】でしてっくす
デシテックスとは、長繊維(ナイロン、ポリエステル等)の糸の太さの単位のことです。
10,000mの長さで1gの重さになる糸の太さを「1デシテックス」と定めています。
【電子ジャガード】でんしじゃがーど
電気的な操作で電磁石を働かせて、たて針を動かす装置。
【通し巾】とおしはば
筬(おさ)の端から端までの巾。
【とじ】とじ
織物のヨコ糸の押え。またその方法。紋止め(もんどめ)。
【共耳】ともみみ
耳糸を別整経しないで、場糸の両端を耳として使うこと。また、その耳。
は行
【倍越】ばいこし
紋糸を一越打ち込む所を二越以上打ち込むことで、とじを見えにくくしたり、ポリュームのある製品にする技法。
【走り順】はしりじゅん
織物を織る時の杼(ひ)の走る順番。
【8枚朱子】はちまいしゅす
8枚朱子は3飛びと5飛びの2個を描き、いずれも交錯点が縦·横両方向に同様な距離をもち、配置がよいので朱子線が目だたない。
【バックなし】ばっくなし
シャトル式織機で織るときに、紋糸を織物の両端まではかけないで、文字や絵柄のみを織り出すこと。
反対はフルバック。
【巾】はば
織物の巾。
【番手】ばんて
糸の太さを表わす単位。一般的に数値が大きいほど糸は細い。
【杼】ひ
機織用具の一つ。ヨコ糸を管に巻いてこれを装着しタテ糸開口部にヨコ糸を通すのに用いる。シャトルという。
【引け止め】ひけどめ
シャトル織機では、ヨコ糸が折り返すので、紋糸の柄や文字のエッジがぎざぎざになることがあります。
これを防ぐために、柄、文字から少し離れた所に紋糸をタテ糸にかけます。この紋糸をかけることを引け止めといいます。
【ヒートカット】ひーとかっと
熱を利用して切ること。熱を利用しないものをコールドカット。
【ヒートセット】ひーとせっと
織りあがった製品に熱を加えることで、しわになりにくくしたり、形状を安定させます。
【ビーム】びーむ
製経機を使ってタテ糸(地タテ糸という)を平行に巻きつけるためのつば付きの筒。または、タテ糸の巻かれたビーム。
レピア式織機、ニードル式織機に使用される。
【bmp】ビットマップ
画像データの拡張子の種類。型データを作成する前に一度ビットマップに落とし込んで組織を作成する。
【平織】ひらおり
平織は、織物のなかで最も多く用いられ、タテ糸·ヨコ糸各2本ずつで循環し、いずれの糸も1本ごとに浮沈して交錯する組織で、織物組織のうち最も基本的な織り組織。
【袋耳】ふくろみみ
袋状の耳組織。ヨコ糸が太く織りにくい時、あるいはリボンのように耳を美しく出させる場合に使用される。
【袋織】ふくろおり
タテ糸を表と裏に分けて袋状に織り上げる織り方。
両面柄を表現したい場合に使用する織り方で2重織とも呼ばれる。
【フルバック】ふるばっく
織物の端から端まで、紋糸を掛け、裏に回った糸は裏止めを用いて止める。
【暈】ぼかし
一つの色が濃から淡へ次第に変化していくようにする技法。
また、A色からB色へと次第に変化していくようにする技法。
【ホールド加工】ほーるどかこう
ストレートカット
エンドホールド
マイターホールド
センターホールド
マンハッタンホールド
ブックカバーホールド
ま行
【マイターホールド】まいた一ほーるど
両側の端を斜めに折り曲げた状態にカットする事。
【巻耳】まきみみ
シャトル織ネームで織耳をヨコ糸でかがり、耳の色をヨコ糸の色で織り上げる技法。
【枕耳】まくらみみ
織物の耳組織の一つ。2上がり2下がりの経畦組織で左右の組織を一越ずつずらしたもの。
【マンハッタンホールド】まんはったんほーるど
切り口を隠すように三つ折りにカットする事。
【耳】みみ
織物の地と異なった糸、または組織·密度を用いて織物の両側に織り付けた部分。
織物の両端にあって、ヨコ糸が抜けないようにしてあるもの。
【耳糸】みみいと
耳を作り出すためのタテ糸。
場糸とは別に整形し、場糸の両側に織り付けて用いる。
【無地】むじ
模様のない織物。
【モノフィラメント糸】ものふぃらめんとし
一本のフィラメント繊維からなる単一の長繊維の事。
釣り糸、やテニスのガット等もモノフィラメント糸。
【モロコシ耳】もろこしみみ
レピアの朱子地織タグによく使われる耳。
名前の由来はとうもろこしのボコボコとしているところから来たと言われている。
【紋糸】もんいと
紋様を作り出すためのヨコ糸。地糸に対していう。
【紋織物】もんおりもの
染文様に対し、織りによって紋様をあらわした織物の総称。一般に、ジャガードを用いて紋様を織り出した織物を、ジャガード織物、紋織物という。
【紋紙】もんがみ
ジャガード機のシリンダーの一面と等しい大きさのカードで、一枚をヨコ糸一越に充当するよう意匠図の指示道りに穿孔し、これをつなぎ合わせてジャガード機に掛けて紋織物製職に使用する。パンチングシート
【紋丈】もんたけ
地以外で柄をつくる部分の織り上げ長。
【紋止め】もんどめ
表の糸の浮きを組織にて止めること。また、その組織。
ら行
【レーザーカット】れーざーかっと
レーザー光線を用いて、特異な形に抜くこと。
ダイカットに比べ、複雑な形状に抜くことができる。
【レピア】れぴあ
先端に糸をつまむ部分を保有し、主軸に連動して往復運動する緯入れの棒状部品。